メニュー

当院の漢方薬処方に関する方針

[2023.08.22]

漢方の安全神話を信じ、当院に漢方の処方を希望される方が散見されます。漢方は効くときは良いのですが、同時に肝臓/腎臓/消化器症状など副作用も多く諸刃の刃です。漢方の多くには甘草(グリチルリチン)が含まれ、グリチルリチンはいわゆるステロイドです。体調の改善や消炎など一時的には良い効果を得られますが、漫然と長期的に服用すると偽アルドステロン症といい、高血圧や浮腫、さらに低カリウム血症を生じ不整脈,脱力などを生じたりします。グリチルリチンは構造上、ステロイド骨格を持っており、長期にステロイドを服用するようなものです。

また漢方は1976年に臨床試験を経ず、政治的に薬事承認された歴史もあり、かつて漢方を薬事承認から外す動きもありました。現在すべての薬が厳しい臨床試験を経て認可されております。

私自身は肝臓が専門で、かつて若いころ漢方が原因で劇症肝炎を生じ、血漿交換およびCHDFなど泊まり込みでICU管理したが救命できなかった症例を何例か経験しております。医者になって最初の受け持ち患者様も、漢方が原因で肝内胆管が消失したまま(vanishing bileduct syndrome)で、結局回復しなかった症例です。(いずも海外産ではあるが。)開院してからも昨年ですが、強度の肝障害の症例も経験しております。(これは国内産。漫然と投与しないよう定期的に血液検査をしていたため、早期発見早期回復できた。)

個人的には以上の苦い経験と考えから、漢方薬の処方は極力必要最低限にと考えております。複数の漢方薬にて生薬が重なり過量になることもあるかと思いますので、漢方薬の処方は基本的には必要に応じて最低限単剤が当院の方針です。

 

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME